左利きのエレンから考える愛されプロジェクトマネジメントのあり方〜リメイク1巻より

りゅう / 常盤龍司

こんにちは、りゅうじです。

これまで漫画なしには語れない人生を過ごしてきました。

週刊少年ジャンプにはじまって、少女漫画も原作のある映画も一通り読み込んできました。人生においてのバイブルは何か?と問われたら間違いなくこういうでしょう。

「本当に大切な一冊を探す旅は一生かけても終わらない」

そのくらい本屋にいくのが生活のルーティンになっています。

漫画は特に世界観に触れる入り口として極上の成果をもたらしてくれます。ビジネスにおいてもそうで、どんな仕事にもストーリーがあり、成長があるからこそ先にどんな世界なのかを知っておくことは重要です。

独学でプロジェクトマネージャーになった自分としても漫画に相当助けられてきました。その中でも特にこれは大事にしておきたいとすぐに出てきた5つの問いについて解説していきたいと思います。

  • 仕事に没頭できるか?
  • 中庸であること
  • チームの強さを引き出す
  • お世話焼きではなく伴走する
  • プロジェクト成功のためには権力に立ち向かう

仕事に没頭できるか

14時間も??? 

企業での仕事となると労働基準法ありますから14時間とかはもちろんやらないんですが・・・自営業でやっていると時間を忘れて没頭することってないですか?

これって好きなことをしているのも大きな要因ですけど、プロジェクトマネージャーにとって没頭する仕事とは「人のことを考えて業務フロー改善すること」が多かったりします。

今使ってるツール使いづらくないかな・・・
この工程順だとエンジニアさんやりづらくないかな・・・
クライアント様からの要求そのまま伝えるとデザイン修正多くなるな・・・

などなど誰かの役に立ちたい気持ちで思考を巡らせて設計しているといつのまにか半日過ぎていた。ということは割とありました。

そういう熱量ってメンバーにもクライアント様にも伝わると思っていて、ひいてはサービス提供をするユーザーにもしっかり届いたという経験をもとに大事にしているところです。

中庸であること

広告代理店の主役はクリエイターだとか
勘違いしているタイプだろ? 

違ぇから

代理店は営業の会社なんだよ

オレ達が汗水垂らして クツ底すり減らして
クライアントから仕事 取ってきて_____ 

それをお前らは
おもしろくねぇ予算が少ねぇ

文句ばっか一人前に言いやがってよ・・・

主役はどこかの部署、ではないんですよね。

営業でもクリエイティブでも直接関係していない部署とかでも仕事が発生するということはチーム全体で勝ち得たものなので、誰が1番とかを決めるために対立するのではなく、その熱量は仕事を納品する発注元、ひいては利用ユーザーに向けていけるようナビゲーションしていくのもプロジェクトマネージャーの重要な役割だと思っています。

本当に自分が好きなことだけやっていきていたいのなら、自力で仕事をとってきて、契約書は法令遵守しているか確認して、スケジュール管理しながら作って、納品してからのサポートまで抜かりなくやった上でそれでも1人がいいとなったらやってみるといいと思います。

その代わり、ある程度年を取ってくると思ったよりも体力が低下するのと、ストレスの長期的な蓄積はある日突然難病を引き起こしたりもするので充分に気をつけたほうがいいなと40歳になった今痛感しています。

詳しくは子育て5人ワンオペと仕事の兼任プロジェクトを2年間1人で回して起こった弊害と解決策に書いてみましたが、ここで取り上げた目の病気(中心性漿液性網膜脈絡症)ってdevPMの懇親会で話した時に罹っている人がいてびっくりしました。聞くと周りにも同じ症状の方がいらっしゃるよう。

話が逸れましたが、中庸であることは誰かと仕事をする上で大事にしている考え方でした。1人で全部するのはすごく大変で、誰かと仕事をすること、人と関わりを持つことは必ず起こりますし自分のものさしで人のことをとやかく言わないようにしたいなと自戒も込めたセクションでした。

チームの強みを引き出す

珍しいからチヤホヤされる

それが市場価値だ

自分の略歴が大まかに分けて美容師→演出家→エンジニア→PjM→DXコンサルとあり、美容師期に培ったコミュニケーション、美容師以降は全部独学で上場企業で仕事経験させてもらえるようにまでなったサバイバルスキル、管理職を10年以上経験したマネジメント力の3本柱のおかげで仕事は絶え間なく続いてきました。

プライベート面では3度の結婚、子どもが実子4人いることもあり家庭寄りな事業のあり方について試行錯誤、実地検証を積み上げている状況でして興味を持っていただけることは多いです。

もちろん理解いただけないこともありますし、そこまで極端なことが必要か?を聞かれたらそうでもないかもしれません。でも、プロジェクトマネージャーでやりがちな八方美人は自分の市場価値を上げづらくさせているなと感じることが往々とありました。

チヤホヤされるために珍しいことをする。というアプローチは逆効果なので、市場価値を個人的に上げたいときは自分の価値観と向き合ってみて道を踏み外してないか気をつけていたほうがストレスなく成長できると思います。

自分の希少性が保たれる市場に常に身を置く
そうする事で私の価値は下がらない

一度軌道にのってくると安心して自己成長を止めてしまうことがあります。

これはいけません。仕事をする上でも個人的な価値観にしても時代の移りゆきが尋常じゃなく早くなった今、一瞬の休憩が命取りといっても言い過ぎではなくなりました。

自分の希少性が持たれる市場に「常に」身を置く。というのは同じ場所に止まるという意味合いではなく、希少性が持たれる市場に飛び移るフットワークを持ち続ける。という意味合いが近いと考えています。

3年前はフリーランスのエンジニアが人気職でした。ところが今年に関しては需要で希少価値がどんどん上がってきているのはプロジェクトマネージャーです。

作り手はいても一つの完成物にするためには多方向の目線を持つマネージャーがいないとパズルのピースがあるだけで終わってしまう。ということにアウトソーシングをしている企業が気づき始めてきたのです。

今でこそチームで仕事しよう!という声掛け程度で人を集めていますが、弊社の方針としてはクリエイティブ理解のあるマネジメント職をどんどん増やしていくようにしています。

クリエイティブだけでいいと思っている人こそマネジメントの本質を知るとやりたくて仕方なくなると思っています。

少なくとも自分はエンジニアとして作る喜びを知っているからこそプロジェクトマネージャーやっていて様々な実装方法、構築手段を目の当たりにして対話もできる今のポジションが技術面でも役立っています。1年前はPHPやっと・・なスキルセットでしたが、今はマネジメント始めAWSなどのインフラ、機械学習、フロントエンドのフレームワークなど全局面型の経験もできました。

そのためには自分の武器が1つではダメだ
いくつもカードがある事で対応できる様になる

自分の武器を考える時に、だいたいが職種で足し算して強みを出そうとするんですけど、実はこれってアンチパターンで職種を足しちゃうとまずいんですよね。

先ほどの事例でいうとコミュニケーション+サバイバル+マネジメント→チームで0→1するときのスペシャリスト。みたいな構成になるので職歴の美容師、演出家とかで考えると自分の武器として尖らせづらくなります。

1本の強力な武器をもったうえで、構成する要素をその時々で配分変えて窓口なりきっかけとして活用する。というスタンスでいるとイレギュラーな対応を求められがちなプロジェクトマネージャーでも変化に対応しやすいカードを持てるようになります。

お世話焼きではなく伴走する

現実に白馬に乗った王子様なんて現れない
だから私が白馬を用意するの

これは3回目の結婚の時に感じました。

家庭と仕事の両立するために優先の高い家庭の結束から固めよう。としていた頃の話です。心の底で一生懸命やっていたら行政や企業の目に止まって評価されることで仕事もうまくいくかもしてない。そんな打算的なことも考えていました。

当然そういういうことはあるはずもなく、気づくと家のことはしっかりやりながら1日のうち14時間は仕事で睡眠は2-3時間という生活を2年近くやっていました。

この時期の反省としては勝ち筋があるとしても最初から誰かをあてにしたやり方ではうまくいかない。ということです。つまりプロジェクトマネージャーにおいては「専門のことは専門家に任せておけば大丈夫、ではなく自分でもキャッチアップして万が一の全員が飛んでもなんとかなる準備だけはしておく」と解釈しています。

ただ、通常運行しているときは最後は自分が最終ラインで責任持つよ。と明言しておきながらもメンバーが自走してくれるように工夫は必要です。ここについてはマニュアルを全部作るということはせずにお任せしていることを質問や相談ベースで対話するようにしています。

例えば実装の時などは「自分はこういうやり方を想定しているのだけどあなたはどう思いますか?」などです。これが結構有効で初めて仕事をする人同士で作業計画のリストを提出してもらうと各々がどういう仕事をしていくのかイメージがつきやすくなります。それを引き出すきっかけとして使うと良さそうです。

あくまで土台を作るのは自分、活躍してもらうメンバーへのリスペクトをしながら舵取りをします。

んだよ!!!光一のママかよてめぇ____

相当な無表情か修羅の様相だったんだろうな・・・と推測しているんですが、自分でもわかっているはずなんですよ。お世話焼きすぎてるなって。

それがチームの活性化によくないからなんとかしなきゃって思いつつも関係性がうすいときって自分のコントロールできてないことがあるのが怖くてやりすぎちゃうことはありますね。。。

気持ちはわかりますが、表情には出ないように気をつけましょう。テレワーク推奨でテキストでのやりとりも増えてきていますが、テキストこそ言い回し方で感情はすぐにばれちゃいます。物腰柔らかい話し方を心がけていきましょう。

プロジェクト成功のために権力に立ち向かう

光一さんお疲れ様です。

神谷さん、さっきまで 部長室にいたんです。
きっと、ずっと部長と話してて

それでもどうにもならなかったから
飲みに誘ってくれたんだと思います。

神谷さんの気持ちもわかってあげてください

大事に思っているチームメイトだからこそ、プロジェクトの成功にコミットしたいのがプロジェクトマネージャーの務めと思っていますし、戦うべき相手は組織の中ではなく常に外に向けたいと考えています。

予算についてもそうで、クライアント様の予算・スケジュールありきでチームメンバーに負荷をかけることは絶対にさせたくないし、一緒に仕事をしてよかったと毎回思ってもらいたいから理不尽なことに対してはどんな形であれ、ぶつかりにいきます。

例えば発注元都合で予算これだけしか出せないからその枠の中でやってくれという話があった場合、やれることは限られます。そこまでは良いのです。しかしユーザーのために圧倒的にあった方が良い機能に対して話し合いで出てこなかったので要件に入れなくていい。という指示が飛んでくると即座に反応します。

クライアント様に必要だと話をする前から実施しない選択をとるのかと。クライアント様と接する機会が少ないプロジェクトも当然多くありますのでこういうやり方も一般的にあります。社内政治なのもわかります。ただ、受注元としてチームメンバーのためにならない仕事の受け方になろうものなら軌道修正してもらう。その姿勢はずっと持ち続けたいのです。

でもこういうのってチームメンバーに見せる必要はないと思っていて、やってるんだぜアピールがいらないと思っています。神谷さんのようにメンバーをそっとフォローできるように心がけています。テレワークの場合はちょっと関わり方が変わってくるのかなと思いつつも。

まとめ:マネジメントは組織の上位層ではなくフラットな関係性にコツがある

ここまで長く書いてきましたが、人と人との関わりを強く感じられる「左利きのエレン」だからこそ気づけたことは「マネジメントは組織の友人である」ということでした。

クライアント様との交渉がある点でプロジェクトの決裁権を持つことも多く、時として勘違いしてしまいやすいのですが誰一人としてかけてしまうと成立しないプロジェクト運営をしていきたいと考えた時に組織の上位層ではないなと常々思っていました。

まだまだ自分なりのプロジェクトマネジメントになりますが、入り口が独学だからこその切り口で業界の改革した方がいい内容については提言していけるようにしていきたいなと改めて思うところでした。

謝辞:アルさん

左利きのエレンのコマ投稿に際してはアル | マンガの新刊・無料情報メディアさんのアプリ機能を使わせていただきました!漫画の選書はもちろんのこと漫画愛が底知れないところから個人的に愛用するようになりました。

コマ投稿できる漫画のうち自分の人生に影響を与えてくれた漫画が数多くあるので、漫画が変えてくれたシリーズとしても書いていければいいなと思います。

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この記事を書いたPM
りゅう / 常盤龍司
@ryuji
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美容師からデジタル系7事業を立ち上げエンジニア、講師、ギルド型開発チームの運営等を経て株式会社ユニクシィを設立。現在はDXコンサルティングとしてITビジネスの立案、持続可能なシステム内製化、組織開発を提供している。業務フロー改善が得意。