【勉強会参加レポ】ディレクター談義#2 でオンラインのWeb制作について聞いてみた
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開催概要
開催日時:2020年5月5日(火)21:00〜
開催場所:オンライン
企画内容:メンバー100%オンラインでWeb制作ディレクションってどうします?
登壇者:
株式会社サービシンク 代表取締役 / 名村さん
株式会社アイムービック Webディレクター / 町田さん(ちょうださんとお読みになるそうです!)
コロナ禍である今、周囲でも多くなってきた「リモートワーク」での制作ディレクションがテーマでした。
今後また緊急事態宣言が解除されたとしてもいきなり元に戻るわけではない、というこの状況で、いかにしてスムーズにプロジェクトを進めていくかというディスカッションをする勉強会でした!
イベントページはこちら👇
https://director.connpass.com/event/175138/
プロジェクトの課題
「温度感の共有」というワードが飛び交っていたのが印象的でした。
これは私自身、PMをする上でとても大事にしている部分です。
クライアントと制作側の温度感もそうだし、特にトラブル発生時の温度感ってめっちゃ大事。。
それがいかに緊急性があるのか、というのがリモートだと伝わりにくい。
テレビ会議ツールでは「視覚」と「音声」で情報を得なければいけないのでコツもいる。
そんな話をお二人から聞けました。
名村さん「テレビ会議で感じる距離が課題」
- なぜか電話よりもテレビ会議のほうが距離を感じることがある
- ネット環境によっては会話がかぶってしまったりスムーズにいかず気疲れする
- ツッコミの人はボケが終わる間を待っているw のでオンラインの微妙なタイムラグがつらい
- リアクションをオーバー気味にしないと伝わらない
- トラブル時はテレビ会議で口頭で伝えるのが大事
- 環境音も結構気になるのでノイズキャンセリングのアプリも活用していく
町田さん「アイスブレイクの方法も変わってきた」
- ライブの喋りに慣れているとタイミングを合わせるのが大変
- アイスブレイクのやり方が今までとは変わった(雑談ではなくバーチャル背景などでネタを仕込むw)
- トラブル時はチャットで事実ベースのことを書きつつ、やはり顔と声がわかるツールで伝えたほうが良い
- 小さいオンラインMTGを立ち上げやすくできるように下準備も必要
- オープンスペースでMTGすると周囲の音を拾ってしまうので聞き取りづらくなる
お二人とも、関西人ならではの視点もあり面白いご意見でした笑
確かにテレビ会議の会話の仕方は慣れの問題はありそう・・・。
組織的な課題
より「人」が絡んでくる組織という観点。
性善説か性悪説か、という話や評価方法をどうしたら良いか、という話がリモートワークでは課題になりそうです。
名村さん「集まるからこそ効率化されていた業務もある」
- オフラインで大勢が集まっていたからこそ効率化できていた業務もある(バックオフィスや光熱費など)
- 出社がなくなったことによるストレスは減っているかもしれないが、生産性が変わっていないのであれば全てがOKとはいえない
- 自分でスイッチをオンオフできる人でないとリモートワークはきつい
- サボってしまうよりも、やりすぎてしまう人が多いのも問題
- Zoomで1部屋、雑談用の部屋を作ってみたがあまり活用されなかったのでオンラインランチ会をやるようにしてみた
- 新卒メンバーの対応に四苦八苦している
- トップダウンでこうしよう!と言っても動いてはもらえない
- リモートだと完全成果主義になりがちで努力を見てあげられないのは日本的な働き方ではなく定着しないかも
町田さん「会社の空気をどう共有するのか」
- 自宅の回線状況によってテレワークの生産性に差が出てしまう
- 家の時間軸やルールにも折り合いをつけなければいけないので会社組織の売り上げによくない影響があることも
- それらトータルで見て、リモートワークの良し悪しを考える必要がある
- 人によっては作業用のデスクもなかったりする
- 会社に入ったばかりの人などは雑談で社内の雰囲気を知っていくが、その機会がない
- 会社へ属することの意味をみんなが考えるようになる
- 雑談部屋はなかなか利用してくれる人がいない
- 視覚化されていないヒエラルキーみたいなものがオンラインでは見えなくて馴染めない
- 下から上の人に提案するのは大変
- テキスト上のコミュニケーションでフラットな空気感を出しておくと良い
時期も時期だったことがあり、新卒や4月入社の中途採用の方などは馴染むタイミングも難しいですよね。。
ステークホルダーとの人間関係もオンラインだと見えづらくて大変とのことでした。
対照的なご意見で考えさせられたのは、社内の空気づくりをトップダウンでするかボトムアップでするか。
これは自分の立場によっても変わってきそうですが、オンラインだからこそみんなフラットでやっていけたらいいなぁ。
ツールの問題
各社が一斉に機能追加や新規リリースを進めているリモートワークツール。
使うものはどうやって選定すべきなのか?どうコミュニケーションとるのが正解なのか?を話してくださいました。
名村さん「ディレクターは情報整理に意識をかけなければならない」
- ツールは統一していきたい
- ツールを乗り換えるときに浸透させるハードルが結構高いし、全てをまとめるのは難しい
- 社外はお客さんから指定がなければアカウント登録不要なものを使う
- 社内は少人数ならslackで、多くなったらGoogleMeetを使っているがslackは画面共有がしづらい
- 画質や音声もそうだがツールの使い道の良し悪しも大事
- メールはもうやめてほしい、と伝えてBacklogにやりとりを統一してもらっている
- 納品して終わり、ではなく継続的に関わる案件は情報が散財してしまうと大変。Wikiなどの情報整理に意識をかける必要がある
- 議事録の書き方ひとつとってもルール化して共有している
町田さん「情報をまとめると後になって自分が助かる」
- クライアントによってはMicrosoft系指定とか、ZoomはNGとか制限があったりする
- チャットもぎりぎりで、Backlogなんて使えません、というクライアントもいる
- 電話で良い場合はGoogleハングアウトで、MTGはGoogleMeetを使っている
- 画質や音声などはZoomが一番よかった
- クライアントにあわせて合うものを選定する
- 情報をまとめておくことは、その時だけ時間がかかるが皆も助かるし、後の自分も助かる
まとめ
最終的には、リモートワーク云々ではなく、プロジェクトマネジメントスキルが大事であるという話に着地していったのも面白かったです。
予期せぬ事態が起こった時にも、PMの手腕で良くも悪くもなるのがプロジェクト。
こんな状況も、チームで乗り切っていきたいですね!
全然メインテーマとは関係ないですが、関東と関西でプロジェクトの進め方も違ったりするのかしら・・・と気になりました。
話の節々で地域ギャップを感じた気もしたので、今度はその辺りもっと深く聞いてみたいです。
武蔵野音楽大学卒業後、ヤマハ特約楽器店にて音楽教室の運営企画に従事。2014年にSIer企業への転職でエンジニアへ転向し、証券システム、IoT事業など複数プロジェクトの開発を経験。その後、自社サービス立ち上げや法人向けJava研修サポート講師を経て同社のマーケティングマネージャーを歴任。
データ分析・マーケティングの知見を活かしたITサービスの企画・要件整理支援のほか、プロジェクトチーム構築や情報整理を得意とする。
現在は合同会社PeerQuest代表兼PMアドバイザーとしてプロダクト開発組織の内製化を支援している。認定スクラムプロダクトオーナー(CSPO)取得。