PMが足りない問題について考察してみた(前編)

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浪川 舞(まいどる)

「PMが足りないんです・・・」

そんな声を聞くことは、システム開発の受託企業をやっていれば、もはや日常茶飯事です。特にこのコロナ禍において、新規にオンラインサービスに乗り入れようという会社が多くなりそういった類の案件が劇的に増えている中、ここ1、2ヶ月はパートナー各社からもひっきりなしに同様の苦悩が聞こえてきます。

  • PMをやれる素質のある人がいない
  • PMになりたがる人がいない
  • PMを教育してくれる人がいない

一言にPM不足と言っても、さまざまな要因があるのではないかと思うわけですが、今まさに困っている渦中で、リアルタイムな分析と改善を目指して記事にまとめてみます。

前編である本記事では「PM不足がなんたるか」を定義、中編・後編では「PM不足を解決できる具体的な施策と実行状況」をシェアしてみたいと思います。

PM不足の正体

改めて、PMは何をしている人、何をすべき人なのかを定義してみます。

プロジェクトマネージャーの資質

プロジェクトマネージャ(英: project manager)とはプロジェクトの計画と実行に於いて総合的な責任を持つ職能あるいは職務である。プロマネと略されることもある。
プロジェクトマネージャには系統的な経営管理能力は勿論、透徹とした質問を発し、暗黙の前提を発見し、プロジェクトチームの意見をまとめ上げる能力が必須となる。

Wikipedia:プロジェクトマネージャ

一般的な定義としてのPMとは、

  • プロジェクトに対して総合的な責任を持ち、
  • 経営管理能力は当たり前、
  • 透徹とした質問で暗黙の前提(=不確定要素)を見つけ
  • チームの意見もまとめ上げる

という資質が必須のようです。これだけではあまり具体的なイメージが沸きにくいですが、周りにいるPM、自分、は一体どうでしょう。

最後の責任をケツ持ちできているかな?収支やコスト感覚など経営的知識は足りているかな?不確定要素をいち早く発見できているかな?チームもまとめられているかな?

そんな風に問いかけてみると「ギクっ」としてしまう質問もあるかもしれません。

プロジェクトマネージャーの役割

続いて、そんな資質を持っている前提のPMの役割についてです。

プロジェクトマネージャ(PM)は期日までに成果物を完成させる使命を負います。そのためにプロジェクトチームを結成し、あらためて必要な人材、資材、費用を計画して確保し、プロジェクトを遂行します。

IT業界職種研究|プロジェクトマネージャーとは

プロジェクトマネージャーとは、プロジェクトの運営、品質、納期等に責任を持ち、プロジェクトを円滑に推進させる役割を果たすプロジェクト管理者のことです。

具体的な業務内容には、プロジェクトメンバーの選定、顧客折衝、案件受注、要件定義、品質管理、納期・進捗管理、コスト管理等があります。

ビジネス用語集

どのサイトで書かれている定義を見てもそうですが、まずはプロジェクトマネジメントの基本であり、大切なポイントとしてよくあげられる “品質” “コスト” “納期”(QCD)を決められた範囲内で遂行し、具体的な業務として要員調整や仕様の顧客窓口、要件定義や計画をはじめとする進捗管理が必要となります。

となると、上記の役割が別の方法で代替できるのであればPM自体がいらない可能性が出てくるのでは?

まずもって何がどうなっていたら “そもそもPM不要” になるのでしょうか。開発プロジェクトの現場が本当に求めていることは、プロジェクトマネージャーというそのポジションではなく、プロジェクトマネジメントで進行されている「仕組みそのもの」なのかもしれません。

PMがいらなそうなプロジェクト

  • 完璧な情報整理ができている
  • 要員調整しなくても進んで技術者がやってくる
  • プロジェクト予算にそって体制が進行する
  • ステークホルダーとの窓口が属人的でない
  • 契約に付随する顧客折衝が完璧
  • 関係各位が仕様調整に協力的
  • 一人一人がタスクの進行状況を把握して作業している
  • 結合が必要なタスク同士をメンバーが自らすり合わせできる
  • 予想外の問題が起きた時は解決策を提案できる
  • 予算を超えたり品質に問題が出たり納期に間に合わない、なんてことが起きない

まぁ、さすがにここまで成り立っているプロジェクトであれば、必ずしもPMという存在はいらないでしょう・・・。

(果たしてそんなチームがありえるのかどうかはおいといて)

PM不在のプロジェクトマネジメントへの挑戦

そんなわけで、今まさに案件過多によりPM不足に悩まされている私のチームが、これからいかにしてこの危機を乗り越えられるのか、なるべくリアルタイムで報告しながらお届けしたいと考えているのがこの記事の目的です。

現状の突貫対応

  • 1人のPMがいくつもの案件を掛け持ちしてなんとか対応
    → めっちゃリスクある!打合せの調整だけで1日が終わり、思考に使える時間が少なくなるのは大変危険。風邪でも引いた日には全プロジェクトの進行が停滞しそうじゃ・・・。
  • 技術面での調査や検証が必要な領域はパートナーさんに切り出し
    → これは現段階ではそれなりにベストだと思っているものの、パートナーさんをマネジメントするリソースがとられてしまうこと、社内やPMに知見が溜まりにくいのがネックです。

検討中の施策

  • ディレクター人材の採用
    → これができてりゃ困ってないが、改めて・・・。
  • リードエンジニアやデザイナーの職務範囲拡大
    → 「餅は餅屋」の精神を大事にしている私はエンジニアにマネジメントまでさせることには抵抗が。それでも、エンジニアやデザイナーだからこそ任せられる得意領域があるとも思い、うまく権限移譲していきたい。
  • 管理ツールやフォルダ構成をテンプレ化しキックオフ時のPM工数を徹底的に下げる
    → 同時に複数プロジェクトが始まったときに意外と時間を取られるのが開発開始までの必要資材の整備。ここはほぼ決まった流れにできる部分ではあるので、テンプレをもっと共通化できるようにします。
  • 複数回必要となる説明などを使いまわせるよう動画コンテンツ化
    → ステークホルダーに必ず案内していることや、チームの指針、プロジェクトの概要説明などは回数が多くなると疲弊してくるもの。これらも1回で済むような仕組みを検討中です。

今ぼんやりと「やっていかねば」と思っているのはこの辺りですが、あまり芯をついた施策だとは思えていないので、試行錯誤したいです。

もし何か名案があれば、ぜひTwitterなどで私までお知らせください!

次回の記事では、これらPM不足の解消方法について、より深堀して模索します。

つづく

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浪川 舞(まいどる)
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武蔵野音楽大学卒業後、ヤマハ特約楽器店にて音楽教室の運営企画に従事。2014年にSIer企業への転職でエンジニアへ転向し、証券システム、IoT事業など複数プロジェクトの開発を経験。その後、自社サービス立ち上げや法人向けJava研修サポート講師を経て同社のマーケティングマネージャーを歴任。
データ分析・マーケティングの知見を活かしたITサービスの企画・要件整理支援のほか、プロジェクトの要員管理や情報整理を得意とし、現在は合同会社PeerQuest代表兼エンジニアとしてベンチャー企業各社のサービス開発を支援している。