クライアント様に専門家との橋渡しPDM(プロダクト開発マネジメント)を提案したい理由

常盤龍司 / りゅうじ
常盤龍司 / りゅうじ

こんにちは。フリーランス歴7年で経験した新規立ち上げとして1000人キャパのコンテスト、お寺の本堂で宝塚ライブ、観光会社とタイアップしたリアルハンター、プロボクシング興行のプロデュースなどなどちょっと変わったイベントや団体の立ち上げをしてきました、りゅうじです。

ITに主戦場を移してからはマッチングアプリやコミュニティづくりなど人をつなぐサービスの立ち上げを自身で経験したり担当しています。

ITがリアルでの立ち上げと違うなと感じたことに「代理店がどれだけ入っているのか」ということがありまして、例えばITでモバイルアプリを開発しようとした場合少なくとも代理店が2つ入ることは一般的に多いです。

それぞれの会社間で連携が取れていればいいのですが、当然利害があることですので思惑同士がぶつかり合ってクライアント様の求める費用感だったりクオリティの担保が難しい局面にあることはよくあります。

この状況を経験していると、クライアント様の直接な理解者が必要なのになと感じるようになりました。そこで今回ご提案したいPDM(プロダクト開発マネジメント)のお話になります。

大きなテーマとして以下の4つになるのですが

  • ぼったくられないための門番として
  • 湖にタイタニック!?
  • 多重請負の解消
  • 社内人材のブーストアップ

一つずつ説明していきましょう。

ぼったくられないための門番として

事業始めました!こんなサービス始めます!

公の場所、SNSやホームページで公表すると、けっこうな数の営業メールや電話、郵便物が届きますよね。

中にはとっても魅力的なサポートサービスがあるかもしれません。特にコンサルティングと自称する人(会社ではなくて)が提案してくる商材はフルーツパフェのように甘い誘惑をしてくること間違いないです。

ところがコンサルティングの半数以上が怪しい、甘い言葉に騙されたなどの声がいまだに多いのはそもそも日本語における翻訳がすれ違った解釈になっていることに原因がありそうです。

本当に必要なITツールが適正な価格で提供されているかを判断するのは専門領域になるほど難易度が高いです。ここは社内に中立な目線を持って精査してくれる人材が必要になります。関わり方は最初のうちは業務委託でも良いと思いますが、月の固定費を初期から上げすぎないように調整役をいれましょう。

*間違わないコンサルティングについて注釈

相談相手になって商材を売るだけで終わる人のことをコンサルティングと定義されていません。本来のコンサルティングとは相談だけにとどまらず、実現の手段を共に考え、実施して成長を伴走するまでの一貫した事業成長にコミットする人のことを指します。

海外では特に顧問のことをコンサルティングと定義されていないので間違わないように気をつけましょう。ちなみに弊社が提供しているのは相談、設計、開発、事業成長までコミットしていく本来のコンサルティングですので商材をうって終わりなどはしていません。事業ステージに合わせて初期はミニマムに、成長に合わせて必要な分野を組み合わせて社内文化を醸造するところまで育てることを使命としています。

湖にタイタニック!?

作りたいサービス、ことが固まってきたら開発チームに伝えることになります。この時にも社内に事業開発の専門家がいたら適切な調達が行われやすいと思います。

しかし、業務提携しているパートナーに一任するだけで、それが制作に特化した会社だとしたら。残念ながらクライアント様の思っている成果物には差が起こりやすいと思います。

なんとなく違う・・・くらいならむしろ成功な方なのですが、下手をすると実現したいこととずれたフルスペック成果物が届けられることになります。

一つのたとえ話として最近よくすることがありまして、

クライアント様は向こう岸に渡りたいようです。

それを代理店に伝えました。

代理店は対岸に渡る船をつくってほしいと開発チームに伝えました。

開発チームは対岸に渡る途中で台風が来てはいけないと強固な船をつくることにしました

安全に対岸へ届けるためにを突き詰めた結果、出来上がった船はタイタニックでした

ところがクライアント様が渡りたかった対岸は大西洋ではなく湖だったのです

出来あがってから気づいても時すでに遅く、クライアント様はつかいかたもよくわからないタイタニックに飛び乗り、甲板を歩き対岸へたどり着いたのでした

・・・いや、タイタニックいらなくない?ボートでよくない?

というような嘘のようなことが実は増えてきているのです。

どういうことかというと、開発に特化しすぎてしまうとビジネス要件を置き去りにしてしまいやすく、クライアント様の要望の本質、届けたいユーザー理解の落とし込みができていないまま成果物ができてしまうのです。間にビジネスと開発の両方に理解がある人が一人いるだけで解決していたのですが・・・

ここで登場したビジネスと開発の理解があるひとのことをPDM(プロダクト開発マネージャー)と呼んでいます。今回の主題でもあるのですが、技術が全くわからないマネージャーでは精度の高いプロジェクトになりづらいですし、技術のことばかりでビジネス、社会的なことに疎い人が集まっても良いプロダクト、コンテンツはできません。

PDMはこの問題を解決するために技術とビジネスの両面を磨き上げます。技術といってもエンジニア、デザインなどクリエイティブ全般、ビジネスにおいてはトレンド調査、マーケティング施策などをはじめとしてクライアント様の事業内容を業界のことも念入りに調査するなど広範囲におよぶ知見を浅くもつことで専門家とのコネクターになります。

より深い領域のクオリティを求められるのに応じて専門家とのやりとりを増減させ、クライアント様の事業ステージに合わせてプロジェクト規模を柔軟にマネジメントしていくイメージです。

PDMは基本的にわかりません、ということは言わないコンシェルジュに近い立ち位置かもしれません。そういう人が今後どんどん求められてきているなと実際のプロジェクトに参画している中で感じています。

多重請負の解消

PDMがいることによってプロジェクトの交通整理がされ、適切なチーム編成が社内で可能になるとエージェント会社に頼らずともプロジェクトに応じて最適な状態で可変させることができます。

多重請負構造が当たり前になっているIT業界ですが、それが良いかというとクオリティや納期で辛い思いをしている技術者の方々が多く存在します。

今年に入って「中抜き」を指摘されていた大企業もありましたね。エージェントもそうですが、適切な仕事をしてくださるのでしたら納得できるんですよ。でも、酷い会社も存在してて、このような会社もありました。

事例 1

「会社のデータベースつかってマッチングして間に入る担当者が双方のつなぎなど配慮も全くせずスケジュール合わせだけであとは双方で話し合ってください、手数料は20万円ちょうだいしますね(総額50万の案件)。話し始めてみたら契約形態すらあっていない受託希望者が現れた。」

事例2

「クライアント様と技術者の御用聞きだけしかできないエージェント、チャットでのやりとりは引用のみ。技術条件が合致したらクライアント様の希望に応募出してみますねと帰ってきた見積もりは相場の1/3程度、事情がわからないエージェントはそのまま引用して技術者に伝える。もちろん技術者は割に合わないので交渉を自分ですることに。結局は相場よりちょっと多めの額で契約することになりクライアント様からすると当初の4倍ほどの予算になった。継続で契約する場合は直接契約は禁止で、更新するたびにクライアント様も技術者も15%程度の手数料を支払わないといけない」

こういうエージェントが増えるとエージェントによる中抜きが増える一方で適切な技術やクオリティが提供されなくなります。

具体的な割合でいうとこういうことも起こりやすく

発注額:100万
エージェント1:30万
エージェント2:25万
制作代理店:25万
フリーランス技術者:20万

元々の発注額は100万なのでクライアント様は100万のクオリティを求めます。ところが仕事をしないエージェント(上がってきた成果物をそのまま報告するだけ)が2社はいるだけで、受託して作業担当する制作代理店の時点で取り分は半額になります。最終的に技術提供するフリーランス技術者は100万円のクオリティを求められつつも20万円しかもらえない契約で受ける。ということが起こります。

PDMがプロジェクトに応じて直接技術者を調達してくることで必要なエージェントの層を1つでも減らすとクオリティを高められるようになります。中のことがわかる人が1人でもいるだけで相当の価値向上ができるようになるのです。

社内人材のブーストアップ

PDMがクライアント様のプロジェクトにおける交通整理を進めることによって、社員さんの役割も本来の業務に集中できるようになり、個性が伸ばしやすくなります。社内評価基準も作りやすくなります。希望する部署への往来も円滑になり、成長を感じてもらいやすい人事のロードマップも作りやすくなります。

プロジェクトの成功を目的として始めたことが、社内文化の醸造に貢献することになってくると採用にかかる負荷も軽減されるようになってきます。

まとめ:業務委託の枠を超えて

業務委託はあくまで外部なので、内政に関することに口出しはできません。しかし、外から客観的に見える分寄り添った提案などがしやすいという点もあります。

業務委託という枠を超えて、企業文化に価値を提供できるようなマネジメントPDMを取り入れてみると予想以上に企業成長に貢献できるのではないかなという感想を最近関わっている事業者には持つようになりました。

あくまで業界に縛られずフラットな目線を持ってクライアント様と専門家の橋渡しをするPDM、長期的にいい仕事しますよ。

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この記事を書いたPM
常盤龍司 / りゅうじ
常盤龍司 / りゅうじ
@ryuji
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株式会社ユニクシィ代表取締役CEO
美容室店長、大学病院サロン立ち上げを経て起業。

フリーランス期に1000人規模のイベントやプロボクシング興行をプロデュース、エンジニア、メンターを経て上場企業での新規事業開発を経験、PjM、DXコンサルまで全て独学で仕事に育てる。

現在は自社開発PdMと並行でフリーランスギルド運営、オフショアでの受託開発PjM。コミット領域は子育て世代に優しい世界の実現。結婚3回、4児の父。