QR決済PJ(エリアコイン、〇〇pay)における留意点

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Toshiki Okada/t-okada

初めまして、 t-okadaです。

私は普段ブロックチェーンの基盤を提供しているスタートアップベンチャーに所属し、そこでPMとして活動しています。PMとしてのキャリアは現在(2020年6月)まで1年半 ~ 2年程で、それまでは営業や開発など経験しました。

以前はDLT/ブロックチェーン基盤を使用したエリアコインやQR決済のサービスを中心にPMとして運営、管理を行なっていたので、今回は決済系のプロジェクトにおける抑えておくべき点やノウハウをまとめてみました。

これから決済系のプロジェクトに興味があるけど知識がない方や今後関わることがありそうな方には役立つかなと思っています。

是非参考にして頂けますと幸いです。

本記事を読んでもらいたい方

  • 決済系のプロジェクトに興味がある、また今後決済系PJに携わりたいと思っている方
  • 現在決済系のプロジェクトに携わって間もないの方
  • 今後決済系のプロジェクトに携わる可能性がある方

  ※既に決済系のプロジェクトの経験がある方はあまり参考にならないかと思います。

そもそも決済系のプロジェクトって他のプロジェクトと比べて大変なのか?

、個人的な主観としては、結論他のプロジェクトよりもキツめではあるかな〜と思います。

もちろんこれはプロジェクトの種類、サービススコープなどにもよります。

キツめかなと思う理由としては

  1. コイン発行事業者、加盟店事業者、加盟店、エンドユーザーなどユーザーの属性が多く、それぞれの管理ツールを用意しなければならない
  2. 1の加盟店を開拓するための事業者も必要
  3. 送金、決済ができないなどの障害が発生するケースが多い
  4. QR決済の場合、QRコードを用意する必要あり(動的、静的)
  5. 加盟店、発行体の清算の管理も必須
  6. チャージ、出金のための銀行API連携やクレジットカード事業者との調整が必要
  7. 6. の銀行APIの接続におけるAPI接続チェックリスト(FISC)の遵守
  8. 決済系の法律のガイドラインの遵守(資金決済法)

などなど、基本的には上記を主にスコープ決定、スケジューリングし、ローンチ後は障害対応が必要となります。

パッと思い浮かんだ限りで箇条書きで出してみたのですが、やはりFintech領域である決済系はお金を扱うため、センシティブになりがちです。

そのため、厳重な取り扱いと遵守が必須となってきます。

特に日本では、資金決済法における法の制度が厳しく、イシュアーもある程度の規模のある企業でないと資金決済事業者の登録も厳しいのが現状です。

上記については、また別記事で詳しくかければと思うのですが、本記事ではこれらを一部抜粋して留意点を書いていければと思います。

ユーザー属性を適切に管理

前述しましたが、決済系のプロジェクトはユーザーの属性が多いです。詳しく記載しますと・・・

  • イシュアー(issuer)
    • コイン発行体事業者を指します。主にコインを発行、管理し、加盟店のための全体売上げの清算管理を行います。また半年以上サービスを継続する場合は、前払い式支払い手段や資金移動業者の登録が必要となります。
  • マーチャント(merchant)
    • 加盟店 を指します。主にユーザーが実際に決済を行う際の店舗となります。イメージとしては、普段私たちが決済サービスを利用しているコンビニやスーパーなどです。
  • マーチャントディベロッパー、ディベロッパー(merchant developer/ developer)※ 発行体と同様になっているケースもあり
    • 加盟店事業者を指します。主にマーチャントを管理する事業者です。イメージとしては大型ショッピングモールの各店舗を束ねている企業などです。
  • コンシューマー(consumer)
    • エンドユーザーを指します。主にその決済サービスを使用するユーザーです。

基本的には各事業者の役割を明確化し、要件定義、開発のスコープを管理し、加盟店開拓を並行して管理する必要があります。

エリアコインは加盟店数、場所も重要

またエリアコインの場合は、実際サービスを実施する店舗数と実施するエリアも重要になってきます。

これらは下記のようなバランスで成り立っており

  • エリアが広い(加盟店数も多い) -> 現状存在するpaypayやline payなどのサービスとの差別化が難しい
  • エリアが狭い(加盟店数が少ない) -> ユーザーにとってサービスの魅力がないため、使われにくい

またエリア通貨を行う場所も重要だと思います。よく使われるケースは、地域創生を目指した地域通貨ですが、そのような少し閉鎖的、かつお金の循環が生み出せる場所を選定しないと、サービスとしての価値も見出しにくいものとなります。

PMはサービス運営する上で、さらにサービスの成功もコミットする役割もありますが、この辺りも事業者とうまくコントロールし、適切なスコープを設定する必要があると思います。

利害関係者のメリットは何か?

エリア通貨の場合、利害関係者の動機、メリットは何かよりはっきりさせる必要があると思います。前述したユーザー属性をそれぞれのメリットを記載しました。

  • イシュアー(issuer)/ ディベロッパー(developer)
    • 地域コミュニティの活性化
    • 独自経済圏の確立
    • ユーザー、加盟店の決済データの取得
    • ⬆️上記データ取得後の分析、マーケティング、他サービスに「おけるデータ利活用
  • マーチャント(merchant)
    • 顧客の来店向上効果、それにおける売上向上効果
    • キャッシュレスによるオペレーションコスト削減
    • 地域や地域コミュニティへの参加、貢献
  • コンシューマー(consumer)
    • 金銭的インセンティブ
    • エリア、店舗の情報取得
    • 地域や地域コミュニティへの参加、貢献

主に上記が利害関係者のメリットになるかと思います。ここで注意していただきたいのが、エリア通貨は、基本的にはそのエリアに属する大多数が参加し、その大多数が使用する経済圏を創生出来ないとメリットが享受出来ないという点です。

例えば、いくらユーザー数が増加しても実際にトランザクションが増えないとデータや加盟店の来店向上などの相乗効果が得ることができません。

またユーザーに参加してもらいたいがために、付与しきれない決済インセンティブなどを大幅にアップしても、そのサービスでのマネタイズが厳しくなってしまい、損益を出し続けるケースもあります。

事業者次第かと思いますが、全員がメリットを享受する座組みが必要でそのためにエリアのスコープとインセンティブ設計は重要になってきます。

ビジネス的要件の関わりも重要

様々な観点があると思いますが、私が経験した中ではエリア通貨のプロジェクトはエリアの選定インセンティブ設計が特に重要であると考えています。

要件定義からPMが着手する場合、単純なプロジェクトの運営のみならず、上記のようなビジネス的要件の関わりも必要です。

これからQR決済、およびエリア通貨のプロジェクトに携わる方であれば、是非上記も意識してみてください。

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この記事を書いたPM
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Toshiki Okada/t-okada
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大学卒業後、金融機関に所属し、個人渉外を担当。その後、ブロックチェーン、DLTを提供しているITスタートアップに所属し、バックエンドエンジニアを経験後、プロジェクトマネージャーに転向。
主にDLTの技術を使用した決済のプロジェクトに従事し、複数のQR決済サービス案件を担当。現在は、別のブロックチェーンスタートアップに転向し、ブロックチェーンをベースとしたスマートコントラクト領域の案件をプロジェクトマネジャーとして担当。
金融機関 -> スタートアップ プロジェクトマネジャーなので、様々な視点で記事を発信できればと思います。