オフショア開発チームで炎上を呼ぶコミュニケーションをFFの魔法で例えてみた
経験が少ないうちは何かと炎上しやすいオフショア開発ですが、言語の違いもあることからテキストでは行き違いも多く発生しがちですよね。。。
今回はオフショア開発といっても日本語でのコミュニケーション版として個人的に大好きなFF(ファイナルファンタジー)で例えながらテキストで解決していく方法を解説してみます。
ファイナルファンタジーにおける危険度としては
ファイア < ファイガ < ジハード < メテオ < スーパーノヴァ
ファイナルファンタジー シリーズ
*あくまで主観です
それではまずは軽い燃え方から順に紹介していきます。
Contents
ファイア:数時間の沈黙
→種火。あるのかどうかもわかりづらいけど見逃していると延焼してしまうので気づけるように目を凝らしておく。
答えが欲しい質問をして数時間返答がなかったらひとこと確認を入れた方が良さそうです。忙しいだけかもしれませんが、理解するために四苦八苦している可能性もあります。
1日放置してしまうと双方の意識のズレが出てきやすくなり、気がつくと炎上の火種となっていることが多いので、自分にリマインダを設定するなどしてチェックの抜け漏れがないようにしましょう。
もしかすると動画のように何がわからないかがわからないのかもしれません。
その時は暖かい心で「何かわからないことでお手伝いできることはありますか?」と声をかけてみてください。案外指示が伝わっていないだけのときもありますので意図を伝えてみるとあっという間に要件を終わらせてくれたりします。
ファイガ:もう一度教えてもらえますか?
→燃え広がりやすいので初期鎮火がとても重要
最初の伝え方がうまくいっていなかったようです。日本語で説明しようとすると長文になりがちですが、外国の方の多くは句読点が連なる長文が苦手です。対策としては主に2点です。
・箇条書きにする。
・主語+動詞+修飾語のワンセットを心がける
箇条書きにするときはフローチャートで書いてあげると良かったりします。1から順にやっていけば良いです。という状況を作ってあげることで相手への負荷を軽減させます。
ここを軽視してしまうと次に紹介するジハードで敬語崩壊を誘引してしまうのでめんどくさがらずにしっかりサポートしてあげるよう気を配っていきましょう。
ジハード:敬語崩壊
→敵味方関わらず破滅的なダメージを与える。見ている方ですらストレスを感じてしまう問題も看過できないほど大きいので早急なメンタルケアが必要。
おそらく相手はうまくいっていないのでしょう。イライラしている可能性があります。こちらの発言も感情的になっているかもしれないということをまずは客観的に見つめましょう。
次にプロジェクトに余裕があるかを確認しにいきましょう。メンタル破綻しやすい原因としてスケジュールか要件レベルあたりが問題なことも多いです。
スケジュールは後半になるほど修正しづらくなりますので6ヶ月のプロジェクトを例にすると開始1ヶ月間までには遅くとも調整できるようにします。
予算について不満がありそうな時は追加要件をお願いしていないかを確認していきます。
これまでやってもうまくいかない場合はそもそもテキストコミュニケーションにおいて命令形が多用されている場合があります。心理的に指示→命令と感じられるようになったらそりゃあイライラもします。
ビジネスの場においてタメ語を使ってしまう人は特に注意した方がよくて、オフショアチームにおいては友達ではないので馴れ合うのではなくきちんと線引きをすることが重要です。
メテオ:わかりました
→日常的に起こりやすいけど、降り注ぐのは隕石群なので破壊力が甚大。最も気をつけておかないといけないキーワード。わかりましたの処理成功率がプロジェクト成功率に直結するといっても過言ではない。
オフショアに限ったことではないのですが、特に一緒に仕事をするのが初めての相手とのやりとりで「わかりましたは99%わかっていない」です。
マネジメントをする上で相手がどのような作業をしているのか確認しやすい状況にすることが重要ですが、おうむ返しや引用で確認するというのは確認の解像度としてはちょっと弱かったりします。
そこでオススメなやり方として「作業計画を書いてもらう」です。
・パッケージは何か入れたか
・編集予定のファイル名は?
この2点を抑えているだけでもバグチェックの時短をしやすくなるので良いのですが、機能単位で実装するタスクの箇条書きをしてもらうだけでも相手がどのレベルで作業をしてもらうか解像度を判断する材料として有効に働いてくれます。
*作業計画の書いてもらい方はボリュームありそうなので後日別記事に書きげますね。
間違っても「パワーをメテオに」「いいですとも!」みたいな動画のようなやりとりを、わかりましたを許容するやりとりとしてプロジェクトで容認し続けてはいけません。
スーパーノヴァ:Gitわかりませんからのforce push
→惑星を破壊し尽くしていくほどの致命的な炎上。むしろ燃えるという概念すら怪しいほど一瞬でプロジェクト崩壊して詰みます。でもね、即死じゃないんですよこれ、割合ダメージなので瀕死で止まります。天を仰いでもクライアント様は容認してくれません。潔く修復するために頭を切り替えて向き合っていきましょう、ほぼ白紙になったプロジェクトと。
source treeしかつかってこなかった開発チームがCUIに以降したとき、どのブランチにいるかわからずfeatureブランチにいると思い込みmasterブランチで force push するくらいのインパクトがあります。リリース前だった場合masterブランチはほぼ初期状態であることも多く、これまでやってきたプロジェクトはもれなく死滅して塵すら残らなくなってしまいますのでこの事態だけは避けなければなりません。
普通にやっていると起こらない前提にはなるのですが、 Gitの使い方は開発スタートする前に必ず確認しておいた方が良いと思います。実際にプロジェクト進めながらGitのcommit書き方からレクチャーしないといけない状況は疲弊を爆増させ、破滅への極短い導火線を見逃してしまいやすくなります。
ツールの話し合いについては要件定義が終盤に入って契約締結前の段階でコンセンサス(合意)をとりドキュメントにまとめていた方が良さそうですね。
まとめ:炎上ステージによって自分の好きなことに置き換えてみる
今回は炎上ということで炎系の魔法をチョイスしてみました。
仕事とプライベートって思っているより密接に関係していて、プライベートはストレス発散としても機能しています。プロジェクトマネジメントってストレスフルな職責だったりしますので、自分の好きなものに置き換えてみると日々の悶々もだいぶ軽減できていくのでオススメです。
私の場合はゲームとアニメに生かされてきたといっても良いので、この記事を書きながら週明けの困難なタスクに向き合うゆとりが生まれました。
人生の大半に関わってきたファイナルファンタジーを題材にした記事でしたが、次回はグランブルーファンタジーでも記事を書きたいと思います。キャラや武器集めをするときの施策としてプロジェクトマネジメントに応用できることが多いのです。大好きグラブル。
↓次回のお題(記事にするのは格ゲーじゃなくて本編の方です)
美容師からデジタル系7事業を立ち上げエンジニア、講師、ギルド型開発チームの運営等を経て株式会社ユニクシィを設立。現在はDXコンサルティングとしてITビジネスの立案、持続可能なシステム内製化、組織開発を提供している。業務フロー改善が得意。