アドラー心理学に学ぶ、期待しないマネジメント術|石井僚さんインタビュー
12:10〜登壇|自社事業をマネジメントする石井さんに聞いてみた
7/26(日)に行われるチャリティーカンファレンス沖縄 vol.2は、devPMとタイアップしたプロジェクトマネジメント特集!
今回は、自社サービスのプロダクト開発でアジャイル開発を進める株式会社エル・ティー・エスの石井僚さんに聞いてみました👨💻
これまでのキャリアと、現在されているお仕事について教えてください。
新卒入社時はビジネスコンサルタントとして、大手自動車会社様や大手商社様の業務改善や変革の支援を、約3年ほどさせていただきました。
その後、WEBエンジニアとしてプロダクトの実装からUX、UIデザインなどに携わり、現在は新規プロダクトのPdMをさせていただいています。
どのような経緯で今の職種にたどり着いたんですか?
ビジネスコンサルタントからエンジニアへの転向については、恥ずかしながら当時評価について不満があり上司と議論になったことがきっかけです。そのタイミングで改めて「なぜ今漠然とした不満があるのか?」を深堀りし、元々何かサービスを作りたいという思いが根底にあったことに気付きました。その後、早速仕事しながらエンジニアやVCの方とお話しをさせていただいたんですよ。
安定した高給が仕事の価値ではない
なるほど、それでエンジニアが合ってるな〜と?
エンジニアの方のお話から「技術やデザインのことを知っているとおもしろいサービスの発想がうまれそう!」、VCの方のお話から「自分である程度形にできるようになりたい!」という思いが芽生え、未経験ながらエンジニアへの転向を決めました。コンサルタントは高給なのでエンジニアへの転向にとても不安でしたが、「自分の仕事の価値基準は安定した高給ではない」ということを自覚しました。
エンジニアからPdMへの転向のきっかけは、現在の会社の社長にランチに誘われ、新規事業の立ち上げについてお話ししたことです。おそらく上司である開発部長から、私が新しいサービス作りたいという思いが強く自分でいろいろやろうとしていることであったり、新しいサービスが好きで他サービスについて詳しいことが伝わっていたんだと思います。結果的に開発メンバーのことをよく知っていること、プロダクトを作りたいという欲求が高いこと、そして他にPM(PdM)やろうと思う人がいなかったので、自然と私が務めることになったんだと思います。
これまで仕事をする中で、一番大変だった経験を教えてください。
コンサル時代に当時のメンバー(女性)と途中からあまり関係性が良くなく、私への不満を溜め込んでいたことがありました。当時はお互いに仕事がやりづらかったなと思います。
その後「石井さんとまた一緒にお仕事したいです」といってくれたので、(たぶん笑)今では関係が修復しています。(単なるお世辞かもしれません泣)
PdMをしていて辛かったことなどはないですか?
PjM、PdMにおいては大変と思った経験がなく、問題が起きたら適宜社長やビジネスサイドのメンバーに共有し、柔軟にサポートしていただきました。開発メンバーも私が不足している点をサポートしてくれていますし、良いメンバーに恵まれている反面、外にいったらどうなるやら・・・不安でしょうがないです泣
もちろん慢性的に課題は存在しているので、日々悪戦苦闘中です。
では、楽しかった、報われた!と思う経験も教えてください。
チームメンバーが楽しそうに働いてくれることにつきます。感謝の言葉もとても嬉しいですが、良い会社がたくさん存在する中で、発展途上のうちで働いてくれているので、やはり成長を実感しながら積極的にお仕事してくれる姿を見ると良い気持ちになります。
最近はリモートであまりそういう姿みる機会が著しく減ったので寂しいですが。
期待しないのは無関心ではなく信頼の姿勢
マネジメントをする時に大切にしていることはありますか?
期待しないことです。完全にアドラー心理学の影響を受けています笑
期待しすぎるとそれに応えてもらえないことも多く、正直イライラしてしまいます。私はすぐ表情や態度に出てしまう(自分では隠しているつもり)ので、あからさまに雰囲気が悪くなってしまうんです。
もちろん「最低限ここまで終わらせたいからやり遂げよう!」というコミットメントはしますが、スキルや成長意欲、仕事への姿勢などに対しどう向き合うかは、メンバー一人一人を信頼し任せています。でも無関心ではなく、1on1や気軽な雑談などでメンバーを理解することに心がけ、いつでもサポートする姿勢であることは理解してもらえるよう努めています。
どんな人がPjM、PdMに向いていると思いますか?
自戒の意味も込めて、「empathy」を持てる人だと思います。かっこよく英語で言ってしまいましたが、「人の気持ちを思いやること」ができる人です。
チームはライフスタイルが異なるメンバーで構成されるわけで、価値観が異なることが当たり前です。考え方が異なるメンバーに共感することはとても難しいですが、「自分と違う人がいる。新たな発見!」と受け入れることがとても大切だと思います。とはいえ何でも受け入れるとゴールにたどり着かないこともあるので、メンバーが共通で持つ価値観、すなわちValuesは予めチームで決めておくべきだと思います。(現在私も事業部単位のValuesを作っている最中です)
最後に、これからマネジメントキャリアを目指していく人に向けて、メッセージをお願いします。
アドラー心理学の受け売りで恐縮ですが、「すべての悩みは対人関係の悩み」です。悩みのど真ん中を突くような問題に向き合わないといけないのがマネジメントだと思っています。
マネジメントとは問題が常に降ってくるような仕事ですが、どの業種でも必要とされ、仕事に限らず人生そのものに影響を及ぼすとても大切な経験を味わえます。自分の哲学を持てると言っても過言ではないです。
あまり偉そうな事言えませんが、私は積極的にマネジメントキャリアを突き進むことに自信を持っていいと思います。
石井さん、ご協力ありがとうございました!
熱い想いでチームでの開発に向き合い続ける石井さん、devPMでも今後記事を色々と書いてくださる予定です。
https://dev-pm.io/pm/ryo-ishii/
カンファレンスでは、これまでの経験を元にアジャイル開発の学びを話していただく予定👨🏫
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