社内コミュニケーションで役立つUXライティングのポイント

津田将信

最近はリモートワークが主体になってきたので社内のコミュニケーションの多くをテキスト上で行われることが増えてきましたよね。
これまではオフィスでの何気ない会話で、言語化がうまくできていないことをメンバーに伝えることができていましたが、リモートワーク中はそうもいかないのではないでしょうか?

自分はこう伝えたつもりが相手はこう受け取っていた・・なんてこともしばしば。
特に、最初からリモートワークの状態で新しいプロジェクトを始めるときなどはお互いの背景が見えていないこともあり、認識齟齬が起きがちです。

そんなとき、本来であればユーザーとのプロダクトのコミュニケーションに使うUXライティングの考え方が役に立ちます。

そこでこの記事ではUXライティングの際に気をつけるべきポイントを社内コミュニケーションの事例とともにご紹介します。

そもそもUXライティングとは

UXライティングとは私の中の定義では
「プロダクトとユーザーとのコミュニケーションを円滑にするために言葉をデザインする手法」と捉えております。

ユーザーの行動や特性を理解し、プロダクトとの対話を言葉で実現することを目的にしています。

プロダクトの世界観をユーザーが簡単に受け入れるような流れを作っていきます。

なぜ社内コミュニケーションで役立つのか

プロダクトとユーザーの対話が実現できるということはそれを社内メンバーに対して実現することも可能だと考えております。

メンバーの行動や特性を理解し、その人に伝わる言葉を選ぶということを常に実行すれば、よりスムーズなコミュニケーションを実現できると思います。

新しいメンバーが入ってきた時のキャッチアップの時間の短縮にもつながります。

UXライティングの際に気をつけるべきポイント

少ない言葉で多くの意味を伝える

よく、簡潔に短い文章で伝えましょうということは言われますが、ただ短くすればいいというわけではありません。それでは伝わる情報量がただ減っただけにすぎません。

簡潔に伝えるということはすなわち、「少ない言葉で多くの意味を伝える」ということです。

例えばログインができないとユーザーから取り合わせがあった時に、社内に「ログイン機能を検証してほしい」と言うか「ログインができないときのパターンを見つけてほしい」と言うかの違いです。

前者の言葉だけではなぜ検証して欲しいのか、何が起きたのかが相手に伝わりづらいですが後者だと、「ログインできないということが起きたんだな。その原因を調べて欲しいんだな」ということがなんとなく伝わると思います。

このように、少ない言葉で多くの意味を伝えられるように心がけると認識齟齬も起きずに無駄なやり取りを削減することができます。

使う言葉を統一する

社内で使う言葉が統一されていないと、必ずと言っていいほど認識齟齬が起きます。ユーザーのことを「お客様」「ユーザー」「会員」といろんな呼び方をしたりなどがあてはまります。

こういうときは社内で使う言葉と対外的に使う言葉を統一し、簡易的な辞書なども作ると便利です。

途中からチームメンバーが増えたりしたときも「ここの辞書見てね」というだけで言葉のキャッチアップが可能となります。

専門用語を極力減らす

ついつい使ってしまいがちなのですが、専門用語はなるべく減らすことをこころがけるといろんな職種の人が関わるプロジェクトでもスムーズにコミュニケーションが行えます。

ただし、反対に専門用語の方がコミュニケーションがスムーズに行える場合もありますので、そこはチームメンバーの前提知識や特性に応じて対応するのがいいかと思います。

数値を使いすぎない

よく数値できちんとエビデンスをもって伝えることを推奨されますが、使いすぎると何を言っているのかわかりづらいときがあります。

「先月は1万5千PVを獲得したが、今月は2万2千PVを獲得したので7千PV増加させることができた。要因としては、施策数を30から45に増やしたからだ。」

実際の数値を細かく記載し正しい情報を余すことなく記載していますが、情報が頭に入ってこないと思います。

「施策数1.5倍に増やしたので先月より7千PV増加した。」

というように変換すると、短い言葉で端的に伝えることができているのではないでしょうか?

もしくは「施策を増やしたのでPVが7千増加した」とかでもいいと思います。

相手が知りたいのは数値ではなく、「何をしてどうなったか」だけと言う場合は数値を使いすぎないことを意識しましょう。

まとめ

私自身もまだまだ勉強の身ではあるのですが、UXライティングは非常に奥が深く、少し言葉を工夫するだけで相手に与える印象が大きく変化します。

これからの時代はリモートワークが確実に主流となってきて、テキスト上で重要な意思決定をすることも増えてくるのではないかと思いますので参考にしてみてください。

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この記事を書いたPM
津田将信
@tsuda
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大学卒業後、コンサルティング会社にてCRM導入プロジェクトに従事。

2017年スタートアップに転職し、社内事業部COOとしてこども向け教育事業の立ち上げを行う。

現在はNowDo株式会社にて0-1フェーズの事業を複数担当。PMだけでなくUXリサーチ、カスタマーサクセスなどフェーズ、状況に応じて複数の役割を兼任する。